「限りなく透明に近いブルー」と、憧れた大人の世界
テレビの向こうに見ていた洒落た大人の世界と、アルマーニのスーツの記憶を綴りました。
福岡・今泉のオーダースーツ専門店TAILOR Blades
こんにちは、福岡・今泉のオーダースーツ専門店 TAILOR Blades(テーラー・ブレイズ)の福留です。
『限りなく透明に近いブルー』と、小学生だった私

作家の村上龍さんが亡くなられました。
1976年、デビュー作『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞。
当時、私はまだ小学生でした。
その後、1979年には村上龍さん自身が監督を務め、映画化もされました。
小学生から中学生という、何かと多感な時期。
その頃『限りなく透明に近いブルー』というタイトルは知っていましたが、当然ながら小説を読んだことはなく、内容もまったく知らず(笑)。
大人になってから作品の内容と原題を知り、ずいぶん驚いた記憶があります😱
村上龍さんと『Ryu’s Bar』、ジョルジオ・アルマーニのスーツ

そんな私にとって、村上龍さんは作家というより、テレビ番組『Ryu’s Bar 気ままにいい夜』のホストとしての印象が強い方でした。
今でもテーマ曲の『クレオパトラの夢』を聞くと、この番組を思い出します。
この番組を夢中になって見ていたのは、大学生から20代前半の頃。
ちょうど、大人の世界に憧れ、自分も少しずつその仲間入りをしていくような年齢でした。
洒落たゲストを迎え、洒落た会話を楽しむ。
あの番組には、当時の私が憧れていた「大人の世界」がありました。


YouTubeで全編見れるのでぜひご覧ください。
今の時代、こんな感じで大人が本音で語るトーク番組がほぼ存在しないのが本当に残念です。
そして、いつも身にまとっていたのはジョルジオ・アルマーニのスーツ。
毎回欠かさず見ていたのですが、実はゲストや会話の内容以上に気になっていたのが、村上龍さんのスーツでした。
「今日はどんなスーツを着て、どんなコーディネートをしてるんだろう?」
そんなことを楽しみにテレビを見ていたわけです。
テーラー目線で細かく見れば似合っていたかどうかは、今となっては何とも言えません笑
でも、キマッてた!とにかくカッコ良かった!いや、それで正解なのです。
その印象だけは、今でも鮮明に残っています。
※ちなみに、村上龍さんの隣でアシスタントを務めていらっしゃったモニカ・ベルッチ似のジュリー・ドレフュスさんの美貌も印象的でした。
本当にお綺麗で、それもこの番組の楽しみのひとつでした。
かっこいい大人たちへの憧れ
思えば、自分が10代、20代だった頃、周囲にはずいぶんとカッコいい大人たちがいたように思います。
それぞれが自分のスタイルを持ち、好きなものを知り、そこに時間と情熱を注いでいる。
流行を追うだけではなく、自分の好みを理解し、経験を重ねながら、その人ならではのスタイルをつくっていく。
そんな大人たちの姿に、強い憧れがありました。
装いに表れる「こうありたい」という思い
これまで本当にたくさんの男性が、さまざまなスーツを着る姿を見てきました。
高価なスーツを着ているからかっこいいわけでも、流行の着こなしをしているから素敵なわけでもない。
「自分はこういう男でありたい」
「自分はこういうふうに着たい」
そういう思いが感じられる人の装いには、やはり人を惹きつけるものがあると思うのです。
今度は、自分が見られる側に
そして、いつの間にか自分自身も、若い頃に憧れた大人たちの年齢をとうに越えました。
今度は自分が、若い世代から見られる側です。
息子や、これから大人になっていく若い人たちが見て、
「大人になるのも悪くないな」
「こんな大人になりたいな」
そう思ってもらえるような男でありたい。
村上龍さんの訃報に接し、そんなことを改めて考えました。
あの頃、テレビの向こうに見ていた、洒落た大人の世界。
その記憶とともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
TAILOR Blades 福留
