私にとって『ブログ』も仕立ての仕事です

私にとって
『ブログ』
も仕立ての仕事です

少しだけ、当店の仕事についてお話しさせてください。

昨日、お客様から
『TAILOR Bladesさんのブログと、そっくりな記事を見つけました!』
とご連絡をいただきました。

確認してみると、
文章の流れや表現、写真の使い方まで、思わず二度見してしまうほどの内容でした。

記録は残しておりますし、必要があれば、然るべき対応も考えております。

ただ、今回あらためて感じたのは、ブログというものも、私にとっては大切な仕事の一部だということです。

当店のブログは、どこかで見聞きした知識を、ただ並べているものではありません。

当店のお客様はご存じかもしれませんが、私は昔から、いわゆるスーツオタク、生地オタクです。

20代の頃から現在に至るまで、スーツを見て、着て、学び、考え、そしてお客様と向き合う中で積み重ねてきたものがあります。

日々、採寸し、補正し、仕立て、納品し、実際の現場で得てきた感覚や考え方を、できるだけ自分の言葉でお伝えしているのが、当店のブログです。

テーラーという仕事は、お客様と会話をしながら生地を選び、一緒に一着のイメージを作り上げていく、華やかで楽しそうな仕事に見えるかもしれません。

もちろん、その時間は私にとっても本当に楽しいものです。

お客様から学ぶことも多く、その方に似合う一着を一緒に考えていく時間は、フィッターとして一番やりがいを感じる場面でもあります。

けれど、仕立ての仕事は、その時間だけで成り立っているわけではありません。

実際に着用していただき、フィッティングを確認し、その方の身体にきちんと合っているかを見る。

お客様は、一人ひとり違います。
好みも、体型も、姿勢も、着る目的も、纏ったときの空気感も、まったく同じという方はいません。

一つの服を作り上げるためには、お客様の前に立っている時間以上に、その裏側にある時間の方が長いものです。

生地の仕入れ。
オーダーシートを書く時間。
小物選び。
工場とのやり取り。
仕上がりの確認。
そして、それ以外の細かな雑務。

ワンマンで営業しておりますので、正直に言えば、効率よく何でも器用にこなせるタイプではありません。

そのために時にはミスをしてしまうこともあります。

お客様にご迷惑をかけて遠方まで出向くこともあります。

リカバリーのために多くに時間を取られることさえあります。

失敗も学びに変えるほかありません。

そうやって、何とかできる限りのことを積み重ねています。

新旧の映画や雑誌、世界のテーラー業界、ウェルドレッサーたちの着こなしや発信も、時間が許す限り目を通しています。

それは、ただ流行を追うためではありません。

スーツという服が、時代や文化の中でどう着られ、どのように人を美しく見せてきたのかを、自分なりに学び続けたいからです。

そして、ブログ。

過去の記事をご覧いただければ分かるかもしれませんが、私はもともと文章を書くのがとても苦手です。

昔は、月に一度更新するだけでも大変でした。

これだけ続けてきても、パソコンやスマホを自在に使いこなせる、というところまでは、まだ到達しておりません笑

それでも、伝えたいことがあります。

スーツが好きです。
仕立てが好きです。
生地が好きです。

そして何より、お客様がその一着を着て、少し背筋が伸びる瞬間が好きです。

だからこそ、記事を書くときも、ただ『これが正解です』と並べるのではなく、
なぜそう考えるのか、
どう着ると美しいのか、
どこにその人らしさが出るのかを、
できるだけ丁寧に言葉にしたいと思っています。

一つの記事を書くのに、数日かかることもあります。
(下書きで止まっている記事もたくさんあります泣)

書いた記事が間違ってないか調べたり、伝わりやすように写真を選ぶために所持している過去の雑誌や本を探したり、とさらに数日かかることもあります。

今回の件は、単に文章や写真を勝手に転載された、というだけの話ではありません。

その奥にある時間や経験、考え方や積み重ねまで、軽く扱われたように感じました。

本当にプロとしての誇りがあるなら、本当に仕事を愛しているのならばこういうことはしない。

私は、そう思います。

もちろん、知識は閉じるものではありません。

学び合うことも、業界全体を盛り上げることも、とても大切なことだと思っています。

堂々と『引用させてください』と言っていただければ、決して拒むつもりはありません。

けれど、誰かが時間をかけて積み重ねたものを、まるで自分の言葉のように扱うことは、やはり違うと思います。

TAILOR Bladesは、派手に見せることよりも、本物であろうすることを大切にしてきました。

ただ、今の時代は、本物であろうと静かにしているだけでは、
”声の大きい“それらしいもの”
に埋もれてしまうこともあります。

だからこそ、これからも私は、自分の仕事を、自分の言葉で、きちんと伝えていきたいと思います。

今回、お客様が気づいて知らせてくださったこと、本当にありがたく感じております。

見てくださっている方には、ちゃんと伝わっている。

それが何よりの励みです。

いつもTAILOR Bladesを見守ってくださっている皆さま、本当にありがとうございます。

この記事を書いた人

テーラー・ブレイズ