〜カヴァート・コートのすすめ〜

ところで、私はカヴァート・コートというのをこよなく愛用している。
日本ではあまりポピュラーではないが、英国ではほとんど必須のコートである。
カヴァート・クロスというこのコート専用の生地(斜文織または繻子織の毛織物で、組織は密、手触りはややハードで少し光沢がある)で作られた、比翼仕立て、ノッチド・ラペル、形からいえばシングルのチェスターフィールドに似ている。ただし丈は、本来乗馬用であった由来からひざ丈上くらいの短めである。
袖は※1レイルロードと呼ばれる3本のステッチが入っており、袖のボタンはない。
あとのディテールは普通のチェスターフィールドとあまり変わりなく、※2上襟にはベルベットのカラーがついている。
ポケットはスラント(斜め)、勿論チェンジ・ポケットつきだが、わざとコンサヴァティブにスラントにしない人もいる。
ブラウン系のこのカヴァート・クロスはコートがスポーティな感じを漂わせているのも関わらず、※3紺のチョーク・ストライプのスーツなどを合わせると、エレガントになる。やや外して、タキシードなどに合わせても洒落ている。
セーターの上に着ても良し深夜の来客(?)の折に、ガウンが見つからずこのカヴァート・コートを羽織るといった対応もできるのである。
〜エレガンスの流儀〜
著者:加藤和彦
『カヴァート・コートのすすめ』より



上の文章は、日本版『GQ』の1999年2月号〜2002年6月号まで掲載された加藤和彦氏のエッセイの中の一節。
私が知る限り、『カバート・コートとはどんなコートなのか?』をわかりやすく簡潔に説明してるのは、このエッセイ(カヴァート・コートのすすめ)が一番です!


このV8は映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でダニエル・クレイグが演じたジェームズ・ボンドが乗っていた車ですね。

で、話戻って、上のカバートコートについて加藤氏が書いたエッセイと

☝️エスクァイアにレスリー・サールバーグが描いたイラストと

☝️カバートコートを着たセシル・ビートンの写真を見て、このコートがたまらなく欲しくなって15年前に最初の1着を購入。
今ではブラウン系2着、ネイビー1着の3着のカバートコートをこよなく愛用しております。
自分が着てみてとても活躍するコートなのでお客様にもおすすめします!






ダブルブレストのカバートコートもアリです!
生地のバリエーションも色々ございます。






最後に『カバートコートの着こなし』が見れる映画をご紹介します🎬


グレゴリー・ペックが着ているコート・スーツ・ジャケット・トラウザーズはロンドン・サヴィル・ロウのテーラー『ハンツマン』が仕立てています。近年は映画『キングスマン』のテーラーとしても有名です。


ジェイソン・ステイサムは、この2年後に『トランスポーター』で一気にブレイクしました!
もし1着しかコートを持てないとすると私は迷わず『カバートコート』を選びます。
フォーマルにもカジュアルにも使え、耐久性もあり、扱いも楽なコートです。
まだ年内お渡し間に合いますし、実は工賃値上げの為、やむをえずではありますが来月より販売価格が値上がりますので今がチャンスです!
ぜひこの機会にお仕立てされてみてはいかがでしょうか。
皆様からのお問い合わせ、ご来店心よりお待ちしております。