『男のタータンチェック 黒い見張り番』シックでエレガントなブラックウォッチのススメ・その1

『男のタータンチェック
黒い見張り番』
シックでエレガントな
ブラックウォッチのススメ・その1

連日の酷暑、みなさまお元気でお過ごしでしょうか?
お盆突入ですね。
地震に台風にと心配事もありますが、8月後半も暑さに負けず乗り目の前のことに集中して乗り切っていきましょう!

そうそう、オリンピック終わってしまいましたね。
今回日本は金メダル20個、銀メダル12個、銅メダル13個と素晴らしい結果でした。
熱戦が毎日繰り広げられ、選手たちの頑張りには感動しました。
どれだけ過酷な練習や調整をしてきたのかと思うと頭が下がる思いです。
心からの拍手を送りたいです。

そんな中、オリンピックといえど、私は仕立屋の性分でついつい自然に男性の服装に目が行ってしまいます。
特にジャケットやスーツ姿。今回もかっこいい着こなしの男性を見つけました!
『※カーツ大佐が審判してるー!』

※カーツ大佐:映画『地獄の黙示録』で名優マーロン・ブランドが演じた米国軍人

最初に見つけたときは思わず2度見しました。
それは“柔道”の審判の男性です。

調べたところ、ラウル・カマチョ氏(Raúl Camacho)
スペイン出身の元ジュニアチャンピオンでIFJ世界審判ランキング1位だそうです。
柔道は審判で色々ありましたが、それは抜きにしまして、この方のジャケット姿が素晴らしかったです。

全身のバランス、ジャケットの着丈、パンツの丈やシルエット。
ネクタイやシャツの首周り、靴下など、全体のバランスがすごく綺麗で整っています。

計算された着こなしかどうかは不明ですが、非常にキャラクターにマッチしていてとてもかっこいい。

審判員は皆同じ制服なはずですが、パッと目に入った瞬間、あまりにもバランス良い着こなしで、ラウル氏自ら好みで作ったオーダーもの?と思ったほどです。

サイズ感やシルエットって何より大事だと改めて感じました。
たとえ制服でも着こなし一つでその人の世界観を出せますし、キラリと光るおしゃれなスタイルになれるのです。

セオリーで言うならば少しジャケットの丈が短いかな?と思いましたが、それよりカマチョ氏のキャラクターに合っている方が勝っていて、パリオリンピックの私が選ぶベストドレッサーです。

以前の写真も探してみましたがとても素敵でした。この方きっと計算して着こなしておられますね。

余談が長くなりましたが本題です。
さて今日は『ブラックウォッチ』のご紹介です。

当店のウィンドウディスプレイ、ご覧になった方はご存知だと思いますが2つのトルソーを飾っております。

現在、左側がブラックウォッチの3ピース・スーツ、右側はストライプのダブルブレスト・スーツです。
実はこのブラックウォッチのスーツ、かれこれ1年以上飾っております。
決してディズプレイを変えるのをサボっているわけではありません(笑)

このブラックウォッチのスーツ、静かに根強い人気を保っておりまして、通り掛かりにウィンドウを見てご来店いただくこともしばしばで、定期的にご注文を頂くので変えるに変えれなくて・・・

ブラックウォッチの柄は知っているけれど、スーツで飾っているお店はあまり見かけないので珍しさで目を引くのかもしれません。
そんなこともあり、今回は『ブラックウォッチ』を掘り下げてきたいと思います。

まずは『ブラックウォッチの由来』から
ブラックウォッチの起源は18世紀に遡ります。スコットランドのハイランド地方では、氏族ごとに異なるタータンチェック柄が使用されていました。

映画『ブレイブハート』で主役のメルギブソンがチェックのキルトを着用していますね。
ブラックウォッチは出てきませんが、背景は想像できます。

この映画のメル・ギブソン演じるウィリアム・ウォレスは、私が勝手に選ぶ『映画史上の三大漢(おとこ)』の1人です。
ちなみにあと二人は『グラディエーター』のマキシマスと『300』のレオニダスです笑

1725年にイギリス政府がスコットランドのハイランド地方を監視するために結成されたのがブラックウォッチ連隊で、スコットランド語で黒い監視隊という意味です。
そのブラックウォッチ連隊が着用していたのが青、緑、黒のタータンチェックで、どこの氏族にも属さない中立的立場で反乱や密輸などを取り締まってており、そこからこの柄を『ブラックウォッチ』と呼ぶようになったとのこと。

ドラマ『アウトランダー』は18世紀スコットランドが舞台のドラマでブラックウォッチを含むたくさんのタータンチェックが出てきます。
ちなみにヒロイン、脱ぎっぷりがgoodです笑

ブラックウォッチ連隊は、その後も数々の戦争や軍事作戦で活躍し、その勇敢さと忠誠心が評価されました。この連隊の伝統は今でも続いており、ブラックウォッチ柄は連隊の象徴として使われ続けています。

そしてブラックウォッチのタータンチェックは、次第に軍服だけでなく、ファッションの一部として英国の上流階級をはじめ様々なブランドで広がり、洗練されたスタイルの一部として定着しました。

改めて調べてみましたが、歴史的背景も男らしさてんこ盛りって感じでかっこいいですね。

物理学者のS.ホーキング博士を演じた映画『博士と彼女のセオリー』でアカデミー主演男優賞を受賞した英国若手俳優のエディ・レッドメイン。
『白シャツ+無地のネイビータイ+白チーフ』シンプルなコーディネートでとても参考になりますね。
同じく英国俳優のコリン・ファース、映画『キングスマン』(ハリー・ハート役)での1シーンです。
『ネイビー・ベルベットのスモーキングジャケット+ブラックウッチのトラウザーズ』当店でもよくご注文を頂くスタイルです。

いろんな映画やドラマ、セレブが愛用しているブラックウォッチですが日本国内では定着とまではいっておりません。
人と被りにくくスタイリッシュなので1着持っているとオシャレの幅も広がります。

スーツで結婚式やパーティでも使えますし、ジャケット+デニムとか、ネイビージャケット+トラウザーズと単品使いできますしニット合わせてもOKです。
フォーマルもカジュアルもOKというバリエの多さ。


一見『派手?』とか『難易度高そう!』と思われがちですが、全然そんなことはなく、年齢や世代も問いません。
着こなしの自由度も高く、オシャレ感出るのでオススメです。

最後に大事な『服地の紹介』と思いましたが、意外や長文になってしまったので次回にしっかりお伝えします。

それでは続きをお楽しみに😊

この記事を書いた人

テーラー・ブレイズ